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腐葉土とは?腐葉土の効果や役割・種類について解説!

 
「腐葉土」という言葉を耳にした方も多いと思います。でも実際どんなものなのか?これまでガーデニング・園芸をよくおこなってきた方以外は中々ご存知ないかと思います。より一層家庭菜園やガーデニングを楽しみたい方、これからチャレンジする方に向け、腐葉土の効果や作り方など解説していきます。ぜひ最後まで読んでください。

水やり


1.腐葉土とは

若葉
腐葉土とは土壌をより良い状態へ改善してくれる改良用土・補助用土です。枯れ落ちた落ち葉をミミズなどの虫や微生物が長時間かけて分解することで、葉が崩れて土のように変化した堆肥の一種になります。この腐葉土を土に混ぜることで土全体に微生物が増え、植物の成長を助けるふかふかの土にしてくれるのです。
これから植物を植えるために土壌を整えたい方や、連作障害で痩せてしまった土壌をまた復活させたい方はぜひ腐葉土を混ぜてみてください。

・連作障害とは
同じ場所で同じ科の植物を植え続けることで、土壌内に細菌やカビが増え病害を引き起こしたり、センチュウなどの虫が増えることで根腐れが起こったり、生育に障害が発生することです。
土壌内の栄養素や生物のバランスが崩れることで発生するため、肥料の入れすぎでバランスを崩した際にも発生します。植物を生育する際には、植物に合った土壌を整え、収穫後には土を休ませるなどして連作障害が発生しないようにしましょう。

・腐植土との違い
よく腐植土と同じように扱われますが、腐植土は微生物が動物の死骸や植物を分解した土壌そのものを指します。腐植土は「保肥性」「有害物質の吸着」「pHの変化の緩和」などの特徴があります。
土に含まれる銅などの植物にとっての有害物質を腐植土が吸着することによって、植物が吸収してしまうことを防ぎます。
pHは水素イオンの濃度を指しています。植物からの放出によって土壌内の水素イオン量は常に変化しています。腐植土はこの水素イオンを取り込みもしますが放出もするため、土壌内の急激な変化を緩和してくれるのです。
腐葉土と腐植土はそれぞれ効果・特徴が異なるため、どちらを使うか迷った際には園芸のスタッフに相談してみてください。

カブトムシ
 

2.腐葉土の効果と役割

腐葉土は「通気性」「保肥性」「保水性」を兼ね揃えています。 腐葉土自体にあまり栄養分はありませんが、有機物を分解する微生物が多いため土と混ぜることで土壌自体に微生物が増加し、葉を分解する際に生成される養分で土壌が改善されていきます。 また崩れているとはいえ、多少葉の形が残っているので、土壌内に小さな空間がいくつも生まれて通気性・保水性に繋がります。
通気性がよく、空気が含まれることでふかふかの土壌にすることができるのです。
土壌に「通気性」「保肥性」「保水性」が備わることで、結果として植物が育ちやすくなります。

・培養土にも
初心者の方や手軽に家庭菜園を楽しみたい方におすすめの培養土。植物が育ちやすいように最初から土に肥料が混ざった土を指します。より詳細にご説明すると、全体の半分以上を占める、ベースとなる基本用土(赤玉土など)に補助用土(腐葉土やピートモス、バーミキュライトなど)が混ざったものを指します。育てる植物によって割合や混ぜる堆肥は異なりますが、腐葉土は大体の培養土に含まれています。
このことからも腐葉土が植物を育てる上でどれほど優秀な堆肥なのかわかりますね。

・カブトムシ用として
腐葉土はカブトムシの幼虫の餌にもなります。ホームセンターで腐葉土を購入の際には殺虫成分が含まれていないかよく確認してからにしましょう。また植物用として購入する際もカブトムシ用として販売されている腐葉土を購入しないよう気を付けてください。
カブトムシを育成・繁殖させている方は自分で作った腐葉土で育ててみませんか?自分で作った腐葉土で育てるなんて、より愛着がわきそうですね。

土
 

3.腐葉土と堆肥の違いとバーク堆肥

腐葉土と堆肥って何が違うのか?結構疑問に思う方が多い点です。 「堆肥」とは一般的に動物のフン(牛糞など)や生ゴミなどを完全に分解し、土のようになるまで発酵したものを指します。
簡単にまとめると、堆肥は有機物が分解されたものを指しているので、落ち葉という有機物を分解した腐葉土も堆肥の中の一つとなります。

・バーク堆肥
ここでは堆肥を使用したガーデニングを楽しむ方が読んでくださっていると思うのですが、腐葉土とは別のおすすめの堆肥である「バーク堆肥」もご紹介したいと思います。
「バーク堆肥」とは腐葉土と同じように堆肥の一種となります。

腐葉土…落ち葉を分解・発酵させたもの
バーク堆肥…樹皮を分解・発酵させたもの

落ち葉を分解・発酵させた腐葉土とは異なり、木の皮つまり樹皮に米ぬかなどを混ぜて分解・発酵させたものとなります。食物繊維がとても多く、養分を生み出す微生物を多く含んだ堆肥です。

特徴・効果…通気性・保肥性・保水性

腐葉土と同じような効果が見込めますが、腐葉土は窒素成分が多いのに対して、バーク堆肥は炭素成分が多いので、育てる植物によって使い分けてください。
使い方としてバーク堆肥は保水性に優れているので、少し濡らしてから土に混ぜるのがおすすめです。混ぜるバーク堆肥の量が多いと、土のバランスが崩れかえって植物の育成に悪影響となってしまうので、割合として土全体の量の10%~15%の量に抑えましょう。

通気性や水はけが重要なプランター栽培が多い方は、このバーク堆肥を使用してみてはいかがでしょうか?樹皮が元となるので、ご家庭で手作りすることは中々できませんが、ホームセンターで簡単に手に入るので、ぜひ使用してみてください。

落ち葉

4.腐葉土の作り方

腐葉土はホームセンターで簡単に購入することが可能です。ですが必要最低限の分だけ欲しい方や逆に大量に欲しい方、市販の物を購入するとなると量の調整もできませんよね。
培養土も植物によって配合が異なるため、様々な植物を育てる方にはそれぞれ揃える必要もあり、金額面でも労力面でも現実的ではありません。ある程度自分でつくることで植物によって混ぜ込む配合も簡単に変えられます。
また落ち葉の色形がしっかり残ったものや発酵が不完全なまま販売されているものも多いので、より分解・発酵が進んでいて土に馴染ませたい方は手作りすることをおすすめします。

まず必要な道具ですが、次の道具をご用意ください。
・スコップ…土をかき混ぜる際に使用してください。
・軍手…手の怪我を防ぐ為、全ての作業時に着用してください。
・フタ付きの容器もしくはコンポスター…落ち葉や土を入れる為に使用します。
・熊手…落ち葉を集める際に使用します。(なければほうきなど)

では作り方をご紹介しましょう。軍手を着用して作業してください。

①適切な場所に容器を用意する
風通しの良く、水はけの良い場所に容器を用意します。
設置場所を間違えると上手く発酵せず腐ってしまうので、場所選びは重要なポイントです。
専用のコンポスターも販売されているので、もちろんそちらをご用意いただいても良いです。また、お庭が広い方はお庭に穴を掘って腐葉土をつくることもできます。ただ雨水を防ぐ為にも木枠で囲ってフタができるようにしたり、大きめのブルーシートで防いだりなどの対策が必要になります。
大量に作る必要がなければ、少し大きめのフタ付き容器やコンポスターで作る方がおすすめです。
容器やコンポスターが風で倒れてしまわないように、お庭に穴を掘れる方は10㎝程容器を埋めてください。穴が掘れない方はレンガや重さのあるプランターなどで囲って固定しておきましょう。

落ち葉2

②落ち葉を入れる
用意した容器またはコンポスターに落ち葉を入れていきます。熊手を使って集めておくとこの作業が少し楽になります。
腐葉土作りに向いている葉はクヌギやナラなどの広葉樹の落ち葉です。サクラやイチョウは水分が多いので腐葉土作りには適していません。使用しないように注意しましょう。

より発酵を促す為に落ち葉を容器の底が見えなくなるまで入れたら生ごみやおが屑、ピートモス(水気の多い場所で育った植物を細かく砕き、乾燥させた土)などを入れます。落ち葉、生ごみなどの発行を促す材料と水を、容器・コンポスターがいっぱいになるまで順々に積み重ねていきます。積み重ねる際、落ち葉に水を少しかけながら積み重ねていきましょう。
落ち葉を入れる際には分解されにくい固いもの(木の枝や小石)が入り込まないように注意してください。
最後に落ち葉が隠れるまで土をかぶせたら、発酵前の準備作業は終わりです。フタをしましょう。

生ゴミ

※入れてはいけない生ごみ
・肉や魚の骨などの固い物 ・生米
・果物の種 ・犬猫の糞尿 ・割りばし
・加工食品(調味料や油が混ざったもの) ・腐ったもの ・ビニール

※入れても良い生ごみ(小さく刻んでおくと早く分解されます。)
・野菜くず ・果物 ・茶葉 ・卵の殻
・小麦粉 ・コーヒーの粉(少量)

※悪臭トラブルにならない為に
積み重ねの際、一番上が生ごみだと悪臭の原因となってしまいます。
生ごみはキッチンペーパーや新聞紙で水気をしっかりきっておくこと、生ごみは落ち葉や土で完全に隠れるようにしておくことで悪臭を防げます。悪臭が原因でご近所トラブルにならないよう注意してください。

③定期的にかき混ぜる
週に1回程度で良いので、腐葉土全体に新鮮な空気が行きわたるようにスコップでかき混ぜてください。
発酵が進むと腐葉土はほんのり熱を発するので、徐々に水分が飛んでいってしまいます。かき混ぜる過程で腐葉土全体が乾燥してしまっているようであれば、水を少しずつ足しながらかき混ぜてください。
できれば塩素の含まれていない雨水が好ましいですが、用意できなければ水道水でも問題ありません。

腐葉土作りの重要なポイントは『新鮮な空気と適度な水分』です。
かき混ぜつつ水分を足す作業は絶対に忘れないようにしましょう。

土2

④分解されれば完成
2ヶ月から3ヶ月程である程度落ち葉の形が崩れてきます。ここで腐葉土の完成です。
土壌の水はけや通気性の改善が目的であれば、落ち葉の形が残るくらいで使用するのが良いでしょう。
すぐに植物を植えるために使用したいという目的であれば、落ち葉の形がより分解されて崩れるのを待ちます。そうすることで土に馴染みやすく、植物の育成に役立ちます。

※良い腐葉土とは
完成したら腐葉土のニオイを嗅いでみてください。良い腐葉土は不快に感じるようなニオイはありません。自分が山や畑に立っているような土の良い匂いであれば、良い腐葉土の証となります。

落ち葉の形や色がまだしっかり残っている場合はまだ分解・発酵が十分ではありません。もうしばらくそのまま置きましょう。また水分量が多いと腐ってしまい、嗅ぐと不快に感じるニオイがします。このような状態のものを土に混ぜて使用してしまうと、腐葉土本来の効果が期待できないどころか、土全体に病原菌が増殖してしまいます。土壌や植物のためにも、まだ分解・発酵が十分ではないもの、腐ってしまったものは絶対に使用しないように注意しましょう。

土3
 

5.腐葉土の使い方

腐葉土は土に混ぜて土壌全体の状態を改善する改良用土・補助用土です。植物を植えたい場所の土に腐葉土を混ぜて使いましょう。割合は「土2:腐葉土1」です。腐葉土の量が多すぎてしまうと、土に空気が含まれすぎて植物の根が不安定になってしまったり、水分を含みすぎて植物の根を腐らせてしまったりするので、割合はしっかり守ってください。
腐葉土を作る際と同様に、効果をより発揮するため、腐葉土を混ぜる場所には枝や小石がないように取り除いておきましょう。

また腐葉土は土に混ぜる以外の使い方もあります。表面の土が隠れる3㎝程度に腐葉土をまきます。こうすることで雨が降った際、病原菌の混ざった雨水が直接土壌や土壌内の植物にふれることを防いでくれます。さらに日光の暑さや雪の寒さから守ってくれる役割もあるので、お住まいの地域や、お庭の環境に合わせて活用してみてください。
植物の周辺にまくことで、雑草も生えにくくしてくれる効果もあります。

野菜

6.まとめ

いかがでしたか?時間はかかりますが手作りすることで質の高い腐葉土を手に入れることができます。
また生ごみを有効活用できるという面も嬉しいポイントですよね。
特殊な道具や作業はありません、家庭菜園やガーデニングでより美しい植物を育成するためにも、腐葉土を手作りして土壌改良してみてはいかがですか?